BS日テレ 小さな村の物語 イタリアまとめ 第279回
6/14放送の小さな村の物語イタリアはヴァッレ・ダオスタ州のシャンポルシェーです。
この放送は2018年6月16日に放送されたアンコール放送です。村で水道配管職人をしている男性とその家族が紹介されました。
今回は美味しいレシピは登場しませんでしたが、気になったインテリアを中心にメモした内容をご紹介します。記録が漏れている部分がありますが、ぜひご覧ください。
81歳の現役水道配管職人
今回紹介された村人のエリージョさんは北イタリアの山間の村で水道配管職人をしています。撮影当時81歳という年齢ですが、膝あてのクッションと工具を持ち現役で働いていました。
この日はホテルのオーナーの自宅に配管を通す仕事。重い洗面ボウルを持ち上げたり、狭い場所で力を入れてねじをしめたり、パイプを通す作業をたった一人で行っていました。作業中に別の村人から水道管が凍結したという連絡が入れば、途中で修理に向かいます。
シャンポルシェーはスイスとの国境近くにあり、冬になると2メートルも雪が積もる豪雪地帯です。画面の向こうのシャンポルシェーは山や村のあちこちにまだ雪が残っていましたが、木々が芽吹き、春の訪れが感じられました。
シャンポルシェーの3月の最高気温は9度、最低気温は−3度です。4月でも最高気温は11度、最低気温は−1度と冷え込みが厳しいようです。半袖で春の訪れを楽しむ人の姿もありましたが、暖炉に火が入れられているのも納得です。
暖かみのある部屋と家族たち
今回特に気になったのは木材をふんだんに使った暖かみのあるキッチンです。キッチンとダイニングを仕切るカウンターも木製でワインや本が飾られていました。
カウンターの上にはかごに入れられた果物とミモザの花が飾られています。イタリアでは3月8日はミモザの日と呼ばれ、男性から大切な女性にミモザを贈る習慣があります。咲いている花、野菜、果物などから撮影日を想像するのも楽しみの一つですね。
部屋には妻の若い頃の写真や家族の写真がパネルにして飾られています。壁にはゴッホの絵が何枚か飾られていて、ひまわりの柄のテーブルクロスが部屋をぱっと明るくしています。
玄関の脇に木製のベンチが置かれていて、妻はここに座ってナイフでブナの木を削りエーデルワイスの花を作ります。玄関の外灯にさり気なくぶら下げられたかごも、どこか優しさを感じさせます。
エーデルワイスとはドイツ語で「高貴な白」という意味で、スイス三名花のひとつとして知られています。
日本でも長野県の白馬五竜アルプス平に広がる白馬五竜高山植物園でエーデルワイスの花を見ることができます。白馬では7月中旬から8月中旬頃に花が咲くので、タイミングが合えば可愛らしい白い花を見ることができそうですね。
悪いことは忘れ、いいことが記憶に残る
エリージョさんは休みの日には大好きなアコーディオンを弾いて過ごします。子供の頃に父に買ってもらったアコーディオンは独学で練習したそうです。若い頃はバンドマンをしていた時代もあり、今でも2か月に一度演奏の仕事をしています。
子供の頃にドイツ兵が家のドアを壊して入ってきて父を壁に押し付けた雪の日、妻との出会い、妻との結婚式にサングラスをしていて神父様に叱られたこと、エリージョさんの人生にはたくさんのできことがありました。
6歳で父を亡くし木工細工が心の支えだった妻や、子供の頃に辛い思いをした妻の弟の人生にもたくさんのできごとがありました。
修理工の長男は父を助け、父は息子を助けます。姉は弟を気遣い、弟は姉を手伝います。
誰かが困っているときに自分にできることをする。
それはどんなに小さなことでもいい、すごいと言われるようやことでなくてもいい、ということを改めて考えさせられる内容でした。
エリージョさんは演奏をしているときにどういうふうに生きたいのかイメージが湧いてくると言います。そしてこんなことを言っていました。
「悪いことは忘れ、いいことが記憶に残る。それが幸せな人生の秘訣。良くないことは誰にでも起こる。すぐに忘れればいい。」
詳しい放送内容は番組の公式HPでご確認ください。