BS日テレ 小さな村の物語 イタリアまとめ 第310回|イタリアのハーブを使ったレシピとそば粉と赤スグリのケーキトルタ・ディ・グラーノ・サラチェーノ(Torta di grano saraceno)とは
7/4放送の小さな村の物語イタリアはトレンティーノ・アルト・アディジェ州のヴァッレ・サン・フェリーチェ(Valle San Felice)でした。
この放送は2019年8月17日と8月31日に放送された内容です。オーガニック野菜の加工業をしている男性と村の図書館でボランティアとして働いている元教師の女性が紹介されました。
今回はハーブを使った美味しいレシピをメモしたのでご紹介します。
参考にしたいハーブを使ったレシピあれこれ
第310回トレンティーノ・アルト・アディジェ州のヴァッレ・サン・フェリーチェの美味しいレシピはバジルモンターナ、イラクサのパスタ、エルダーフラワーのシロップ、そば粉と赤スグリのケーキトルタ・ディ・グラーノ・サラチェーノが登場したので調べてみました。
似たようなレシピを見つけましたのでご参考にどうぞ。
※別サイトへリンクします。
バジルソース
オーガニック野菜加工業を営む男性の工場ではバジルモンターナというバジルとオリーブオイル、ナッツをミキサーにかけてバジルソースを作っていました。
材料をミキサーやブレンダーで混ぜるだけで簡単にできるバジルソースですが、ミキサーなしでも作ることができます。
イラクサのパスタ
イラクサはネトルと呼ばれ、ビタミンやミネラルを豊富に含むハーブとして知られています。ドイツなどヨーロッパでは古くから使われてきました。
葉に細かいヒスタミンを含むトゲがあり、刺すとチクチクとした痛みを感じたり腫れたりすることがあります。触れるときは手袋必須のイラクサですが、さすがイタリアのマンマ、素手でワサワサと収穫してました。
摘んできたイラクサは軽く水で洗い、小麦と一緒に手で捏ねて麺棒でのばしたあとパスタマシーンにかけます。色鮮やかな緑色の春のパスタ生地のできあがりです。
番組ではイラクサを茹でているかがわからなかったのですが、レシピを調べるとお湯で茹でてから小麦と混ぜている方が多いようです。
小さな村の物語イタリアではトマトソースをかけていました。バジルペーストを作るときのバジルをネトルに変えてネトルのジェノベーゼソースで食べてもおいしそうですね。
日本ではなかなか生のネトルは手に入りにくいと思いますが、フレッシュハーブが手に入ったらぜひ試してみてくださいね。
エルダーフラワーのシロップ
エルダーフラワーという花の名前を聞いたことがありますか?エルダーフラワーは日本ではセイヨウニワトコと呼ばれ、6~7月に可憐な小さな白い花を咲かせ、エルダーベリーという小さな実をつけます。
ヨーロッパでは庭先などに植えられていますが、とても大きく成長する木なので庭に植えてみたいという方は小さめに育てることをおすすめします。
エルダーフラワーはヨーロッパでは「田舎の薬箱」と呼ばれ、古くからコーディアルやハーブティーにして飲まれています。
自宅でエルダーフラワーの花や実を使ってコーディアルやジャムを作るときの注意点が2つあります。ひとつめは完熟した花や実を使うことと、ふたつめは日本の住宅の垣根に植えられているニワトコの花や実を誤って食べないようにすることです。日本のニワトコはエルダーフラワーとは異なる植物です。
エルダーフラワーはイタリアではサンブーコと呼ばれています。番組では北イタリアトレント地方の伝統的な飲み物が紹介されました。
男性が10年前に復活させたというエルダーフラワーを発酵させて作った炭酸飲料です。コーディアルの炭酸水割とはまた違う味なのでしょうか。どんな味がするのかとっても気になりますね。
今回は自分でも簡単に作ることができるエルダーフラワーのシロップを紹介します。エルダーフラワーはマスカットのような爽やかな風味で、炭酸で割ると夏にぴったりの飲みものになります。
エルダーフラワーが手に入らなくても、日本でも5~7月頃はフレッシュハーブの季節なのでミントなど手に入りやすいハーブで試してみてくださいね。ミントなど香りの強いハーブを使う時は、2~3種類のハーブを合わせて作るのがおすすめです。
イタリアの「Carmencita da leccarsi le dita」というすてきなブログを見つけたのでご紹介します。Carmencitaさんはお菓子や料理、祝祭典ごとにまとめたレシピなどを紹介しています。ハーブを使ったレシピも多く、写真がとても素敵です。写真はブログからお借りしてきました。
Torta di grano saraceno(トルタ・ディ・グラーノ・サラチェーノ)
番組では村の図書館でボランティアをしている女性がお孫さんと一緒にケーキを焼いていました。生地を型に流し込み、薪のオーブンで焼いたらレッドカラント(赤スグリ)を隙間なく並べてシロップをかけます。薪で焼くと生地がふっくらとした焼き上がりになるそうです。
トルタ・ディ・グラーノ・サラチェーノはトレンティーノ・アルト・アディジェ州の郷土菓子でそば粉のケーキです。お孫さんがチーズのようなものをちぎっていたので調べてみたら、リコッタ(ricotta vaccina)を入れるようです。
レッドカラントの赤が美しいケーキだったのでレシピを探したのですが、似たようなビジュアルのものがなかなか見つけられませんでした。レッドカラントの鮮やかな赤い色が美しいイメージ通りのケーキを「zonzolando」というサイトで見つけました。
zonzolandoはエレナさんとマッシさんのおふたりが食べ物や旅行、文化などを紹介しています。見ているだけでイタリアを旅行した気分になれるすてきなサイトです。写真はサイトからお借りしてきました。
今週もすてきなレシピとサイトに出会えました。
農業への飽くなき探求心
オーガニック野菜加工場を営むイーヴォさんは農学校で農業を学び、オーガニック栽培を始めました。その後、友人が作っていたワインからヒントを得て、オーガニック栽培で育てたキャベツで自分にしか作れないクラウティを作ろうと32歳で加工食品の工場を始めたそうです。
現在は農業、オーガニック野菜工場、大学の講師、オーガニック野菜の宿の経営と忙しい毎日を送るイーヴォさん。そんな父を心配した19歳の息子さんが村に戻り、一緒に工場で働いています。
朝バールで甘いパンとコーヒーの朝食を済ませたあと、工場長と今日の作業の流れを確認してから機械でキャベツの芯を取る作業をします。
イーヴォさんの工場では刻んだキャベツに塩を振ってクラウティ(サワークラウト)を作っています。他にもバジルソースやトマトソースの瓶詰を作っていて、国内外の高級食材店やリストランテに納品しているため配送の手配も行います。
村を一望できる畑では無農薬の野菜を作っているため、虫を手で払いながら携帯にかかってくる電話にも対応したりと忙しい一日を送っていました。
イーヴォさんのお母さんも午前中は工場を手伝い、お昼前に自宅へ戻ってイーヴォさんとお孫さんのためにお昼ご飯の準備を始めます。
この日の昼食はイラクサ(ネトル)を収穫して作ったパスタにトマトソースをかけ、キャベツのサラダ、いんげんの付け合わせ、パンでした。お昼にこんなに手のこんだお料理を作るなんてマンマはすごいですね。
野菜が育ったりみんなが働く姿を見ていると、バカンスもなく大変だが仕事は楽しいと語るイーヴォさん。「もっと良くするにはどうしたらよいか」を常に考えている研究熱心なイーヴォさんは失敗しても前にすすめばよいと言います。
飽くなき探求心は父親譲りと語るイーヴォさんは今、「次は何をしようか」を考えているそうです。
村でひとつの図書館
村の図書館でボランティアとして働く元教師のヴィットリーナさんは、10年前に友人と一緒に図書館を開きました。
毎週水曜日の夜20時から22時までの2時間だけ開かれる図書館には3000冊の蔵書があります。これらの本はすべて寄付されたもので、村人から本が持ち込まれるとすぐにパソコンで登録をして管理用のシールを貼っていました。
週に一度の開館日を楽しみにしている村人も多く、夕食が終わった21時過ぎが混雑する時間帯だそうです。
お年寄りが図書館まで行かなくていいように、使われなくなった学校に作られた図書館は木がふんだんに使われていて温かみのある空間になっています。子供用のプレイルームのようなものもあり、小さな子供が楽しそうに本を選んでいました。
お年寄りが図書館に来てくれたり、本を楽しそうに探していたり、他の村人たちと情報交換をしている姿を見ているとうれしくなると話すヴィットリーナさんは協力的な村の人たちが好きだと話します。
私も近所のお年寄りの方に本を読んでいただきたくて私設図書館を始めたのですが、貸し出す本も借りる人も少なく、いつのまにか終了してしまいました。活動を継続していくためには、自ら周囲に働きかけていく力が必要ですね。地域のお年寄りが笑顔になれるような活動をまたしたいなと思っています。
今もたくさんの元教え子たちが村にいる元教師のヴィットリーナさんは、今はお孫さんたちの勉強を見たり、父から譲り受けた畑でハーブや季節の野菜を育てたりして過ごしています。
畑はリラックスできる場所と話すヴィットリーナさんですが、2003年に最愛のご主人が亡くなったそうです。
「大切な人と過ごした時間は忘れない。家族は大切な存在、人生そのもの」というヴィットリーナさんの言葉が印象的でした。
詳しい放送内容は番組の公式HPでご確認ください。